法人営業において、新規顧客の開拓は避けて通れない課題です。その中でも飛び込み営業は成果を上げる難易度が高く、苦手意識を持つ営業担当者も少なくありません。しかし、各フェーズで押さえるべきポイントを理解して行動すれば、信頼関係を築きながら成果へつなげられます。
本記事では、訪問前の準備から代替手段まで、法人営業に特化した飛び込みのコツを具体的に解説します。営業活動の改善に役立つ視点を得たい方はぜひ最後までお読みください。
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目次
法人営業で飛び込みを成功させるための基本

法人営業で成果を出すためには、飛び込み営業の仕組みと求められる理由を理解することが重要です。基礎を押さえることで、訪問先の担当者と信頼関係を築きやすくなります。ここでは、法人向け飛び込み営業の定義と背景を詳しく解説します。
法人向け飛び込み営業とは
法人向け飛び込み営業は、事前にアポイントを取らずに企業を訪問し、担当者に営業提案を行う手法です。新規顧客の開拓において、素早く接点を持つ点が特徴です。とくに法人相手では、電話やメールでは会いにくい担当者に直接会えるため、積極的に採用されることがあります。
ただし準備不足だと、門前払いで終わってしまいかねません。訪問先の業界や企業について調べ、短時間で関心を引く準備が必要です。
飛び込み営業は、訪問の数ではなく、相手に価値を感じてもらう対話を生み出すことが本質です。担当者の立場や状況を考慮し、柔軟な対応が求められます。現場での即応力と準備の質が成果を左右します。
飛び込み営業が法人営業で求められる理由
飛び込み営業が法人営業で今も必要とされるのは、迅速に商談機会をつかめる可能性が高いからです。事前のアプローチがないぶん、競合より早く担当者と話ができ、意思決定者に提案できるのは大きな強みです。
また、現場の雰囲気や反応をその場で確認でき、提案の方向性を調整しやすくなります。電話やメールでは聞き出せない本音や課題も、対面だからこそ伝わるものがあります。飛び込み営業は効率的とは限りませんが、対面の強みを活かし、きめ細かい提案が可能です。新規開拓や関係構築を重視する業界では今も重要な手法とされています。
飛び込み営業の特徴

飛び込み営業には法人営業ならではの強みと課題があり、近年は「時代遅れ」と言われることもあります。特徴を正しく把握することで、状況に応じて適切な戦略を立てやすくなります。ここでは、メリットやデメリット、現代の立ち位置を解説します。
飛び込み営業のメリット
飛び込み営業の最大の強みは、担当者と直接会いながら関係を築ける点です。訪問先で担当者に会えれば、その場で反応を確認しつつ提案を進められ、即座に課題やニーズを引き出せます。
運が良ければ、その日のうちに商談や契約が成立する場合もあります。さらに、断られた理由を直接聞けるため、次回に向けた改善点も得られます。訪問を重ねるうちに精神的な耐性が身につき、現場対応力が向上するのも大きな利点です。
とくに新規開拓が中心の営業活動では、スピード感と現場感覚が重視され、効果を発揮します。得られた情報や対話内容は、長期的な戦略づくりにも役立つでしょう。このように、飛び込み営業は現場での強みを活かせる手法として根強く残っています。
飛び込み営業のデメリット
飛び込み営業は効率の面で課題が残る手法です。担当者が不在だったり、忙しい時間に訪問してしまったりすると、十分に話ができずに終わることも多くあります。断られる回数が多く、精神的な負担が積み重なることで、モチベーション低下にもつながります。
さらに、移動時間や交通費がかさみ、成果が出にくいと感じる場合もあります。法人営業の場合、受付で断られるケースも少なくなく、担当者にたどり着くまでのハードルが高いのも事実です。
課題に対処するためには、訪問のタイミングやルートを計画し、断られる前提で準備する必要があります。デメリットを理解し、効率を高める工夫をすることで、成果につなげやすくなるでしょう。
時代遅れと言われる背景とその実態
飛び込み営業が「時代遅れ」と言われる理由は、デジタル化と効率化の流れにあります。メールやオンライン商談の普及により、訪問そのものを歓迎しない企業も増え、効率が悪いと見られる傾向が強まりました。
しかし、全ての業界で通用しないわけではなく、対面での信頼構築が重要な業界では今も有効です。とくに中小企業や地域密着型の業態では、訪問によって担当者との関係が深まりやすい場面もみられます。
時代の変化に合わせてデジタル施策と組み合わせれば、飛び込み営業の価値は高まります。業種や状況に応じて適切に活用し、現代的な手法と融合させる視点を持つことで、成果につながりやすくなるでしょう。
法人飛び込み営業の成果につながる訪問前の準備

飛び込み営業で成果を出すためには、訪問前の準備が不可欠です。無計画に訪問を重ねても断られる確率が高まり、モチベーションも低下してしまいます。ここでは、訪問前に取り組むべき具体的な準備のポイントを詳しく解説します。
訪問ルートと時間帯の計画を立てる
効率的に訪問するためには、事前にルートと時間帯を決めることが重要です。地図やリストを用意し、近いエリアでまとまった企業を順番に回る計画を立てると、移動時間の無駄が減り、訪問件数を増やせます。
時間帯の選び方も大切で、始業直後や終業間際は担当者が多忙なことが多いため避けるのが無難です。午前なら9時半から11時、午後なら13時から16時が比較的話を聞いてもらいやすい時間帯とされています。
業種による違いも考慮し、営業時間や休憩時間も調べておくとさらに成果が上がりやすくなります。訪問ルートと時間帯を戦略的に決めることで、無駄のない訪問が実現し、成約の可能性も高まるでしょう。
訪問先企業の情報を徹底的に調べる
訪問先の企業について事前に調べることで、相手に響く提案が可能になります。基本的な企業概要だけでなく、業界の動向や最近の取り組みなども確認しておくと、話題の選び方や提案内容に深みが出ます。
たとえば、最近発表されたニュースリリースやウェブサイトの更新内容を参考にするだけでも、担当者の関心を引きやすくなるでしょう。準備不足で訪問すると、場当たり的な対応に終始し、信頼を得ることが難しくなります。
訪問先の状況を事前に把握しておけば、想定問答も準備しやすく、ヒアリングの質も高まります。情報収集は、営業の準備の中でも最も重要な要素のひとつです。
情報収集の大切さについて、もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
資料やトークスクリプトを準備する
短い時間で相手の興味を引くためには、わかりやすい資料とトークスクリプトが役立ちます。提案資料は、視覚的に理解しやすく、ポイントが簡潔にまとめられたものが望ましいでしょう。パンフレットや名刺も必ず持参し、清潔な状態に整えておくことが必要です。
さらに、訪問の流れを事前にシミュレーションしたトークスクリプトも準備しておくと安心です。最初の挨拶からヒアリング、提案の切り出しまでを決めておけば、本番でも落ち着いて話ができます。準備した資料やスクリプトによって、想定外の質問にも柔軟に対応しやすくなるでしょう。相手の時間を無駄にしない提案ができるよう、訪問前の段階で整えておくべきです。
身だしなみと表情を整えて臨む
第一印象は営業の成否を左右する大切な要素です。訪問前には服装や髪型、靴の状態まで丁寧に確認しておきましょう。清潔感のある服装と整った身だしなみは、それだけで信頼感を高める効果があります。
さらに、表情も意識する必要があります。訪問直前に表情筋を軽く動かしておくと、自然な笑顔が出やすくなります。柔らかい表情は相手の警戒心を和らげ、話を聞いてもらいやすい雰囲気を作ります。
鏡で確認しながら準備を整え、自信を持って訪問することが重要です。小さな心がけが、結果として大きな差につながるでしょう。
ロールプレイで不安を解消しておく
初めて訪問する企業や重要な商談では、緊張や不安を感じるのが自然です。不安を和らげるために有効なのが、事前のロールプレイです。チームメンバーと一緒に、訪問時の想定問答や難しい場面を練習しておくと、本番でも冷静に対応しやすくなります。
予想される質問や断り文句への返答を準備しておくことで、安心感が生まれます。ロールプレイを繰り返すうちに自信がつき、表情や声のトーンも自然になるでしょう。訪問前の準備に組み込むことで、現場での対応力が高まり、成果へとつながりやすくなります。
法人飛び込み営業を実践する際の訪問時のコツ

訪問前にしっかり準備を整えたとしても、実際の訪問時の対応が不十分だと成果にはつながりません。法人の飛び込み営業では、現場での立ち振る舞いや話し方、タイミングが重要です。ここでは、訪問時に意識すべき具体的なポイントを紹介します。
忙しくない時間帯を見極める
担当者に会えるかどうかは、訪問する時間帯に大きく左右されます。とくに法人の場合、始業直後や終業直前は会議や雑務に追われていることが多いため避けるのが無難です。午前であれば10時前後、午後は14時から16時頃が比較的余裕があり、対応してもらいやすい傾向があります。
さらに、業種や曜日によっても忙しさが異なるため、業界の動きを把握しておくと効果的です。訪問のタイミングを工夫することで、門前払いを避け、担当者の話を引き出せる確率が高まります。相手の状況に配慮する姿勢が、次につながる関係構築の第一歩になります。
受付突破のための工夫を施す
法人営業では、受付で断られるケースが非常に多く見られます。そのため、受付の担当者に好印象を与え、協力してもらえる工夫が必要です。
名刺を渡す際は、丁寧な挨拶と簡潔な用件説明を心がけると好感を持たれやすくなります。強引に突破しようとせず、担当者に取り次いでもらうための理由をわかりやすく伝えることが重要です。
また、受付担当者の立場を尊重し、雑談を交えながら柔らかい雰囲気を作ると、好意的に受け入れてもらえることもあります。受付での対応がスマートであれば、その後の担当者への印象もよくなり、スムーズに商談へ進める可能性が高まります。
信頼感を生む挨拶とアイスブレイク
担当者と対面できた瞬間が、最も大切な場面といえます。第一声で好印象を与えられるよう、明るくハキハキとした挨拶を意識しましょう。自社の紹介は簡潔にまとめ、相手の時間を奪わない姿勢を見せることで、信頼を得やすくなります。
さらに、天気や業界のニュースなど軽い話題でアイスブレイクを行うと、相手の警戒心が和らぎ、話を聞いてもらいやすくなります。相手の立場や状況を気遣う言葉を添えるだけでも、関係性のスタートが良好になります。最初の数分で信頼を得ることができれば、その後のヒアリングや提案もスムーズに進むでしょう。
アイスブレイクについて、もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
営業のアイスブレイク鉄板ネタ|不要なパターンや避けるべき話題、ポイント
焦らずに相手の悩みを聞く姿勢を持つ
飛び込み営業は、限られた時間で提案したくなるものです。しかし、担当者の悩みや課題を聞き出さずに一方的に話してしまうと、関心を持ってもらえません。
まずは相手の現状や困りごとを丁寧にヒアリングし、それに応じた提案を行うことが重要です。質問を投げかける際は、イエス・ノーで答えられるものではなく、自由に話しやすい内容にすると本音を引き出しやすくなります。
聞く姿勢を見せることで、信頼が生まれ、相手も自社の話題に興味を持ってくれる可能性が高まります。焦らずに相手中心の会話を心がけることが大切です。
次回アポイントを引き出す締め方
訪問の目的はその場で契約を取ることではなく、次につなげることです。無理に結論を迫るのではなく、次回のアポイントを提案する形で締めくくると印象がよくなります。
「詳しい資料を用意しますので改めてご説明させてください」など、相手にメリットが伝わる言い方を意識しましょう。訪問内容を振り返りながら次回の話題も簡単に触れておくと、相手も準備しやすくなります。
次回訪問の約束を取り付けることで、継続的な接点が生まれ、信頼関係が強化されていきます。訪問の最後まで気を抜かず、自然に次へつながる流れを作りましょう。
法人飛び込み営業の訪問後に押さえたいポイント

飛び込み営業は訪問したら終わりではなく、その後の対応が成果を大きく左右します。フォローアップや振り返りを丁寧に行うことで、次回の訪問や提案に活かせる情報を得ることが可能です。ここでは、訪問後に必ず実践したい行動について詳しく説明します。
お礼メールやフォロー連絡を行う
訪問後はできる限り早くお礼の連絡を入れることが重要です。簡潔なメールで構いませんので、訪問のお礼と合わせて提案内容の要点や次回の予定について触れると好印象です。とくに、担当者が抱えている課題や要望について、訪問時に伺った内容に関連する提案や情報を補足する形にすると記憶に残りやすくなります。
お礼のタイミングが遅れてしまうと、他社の提案に埋もれてしまう可能性も高まるため、可能であれば当日中、遅くとも翌営業日までに送るよう心がけましょう。こうした小さな積み重ねが信頼の獲得につながり、継続的な関係構築の礎になります。
訪問内容を振り返り改善点を見つける
訪問が終わった後は、内容を振り返り次回に向けた改善点を見つけることが必要です。話した内容や担当者の反応、どのような理由で断られたのかを具体的にメモしておくと、次の訪問計画が立てやすくなります。
訪問中に気づいた改善点を放置せず、チーム内で共有して他の案件にも応用すれば、全体の営業活動の質が高まります。振り返りは面倒に感じるかもしれませんが、営業力を成長させるうえでは欠かせないステップです。定期的に過去の記録を見直し、改善策をアップデートしていく習慣をつけることで、訪問ごとの成約率が少しずつ上がっていくでしょう。
顧客情報をきちんと整理する
訪問先で得た情報は、必ず整理して管理しておきましょう。担当者の役職や連絡先だけでなく、会話の中で把握した課題や興味関心のポイントも重要な情報です。これらをCRMツールやデータベースに記録しておくことで、次回の訪問時や他のメンバーへの引き継ぎがスムーズになります。
記録が不十分だと、せっかく掴んだチャンスを台無しにしてしまうこともあるため、訪問後の管理は怠らないようにしましょう。整理された情報があれば、自信を持って次回の提案ができるようになり、結果として営業の効率や成約率の向上にもつながります。
断られても気持ちを切り替える
飛び込み営業では、断られることがむしろ当たり前です。何度も断られると落ち込みやすくなりますが、気持ちを引きずってしまうと次の訪問に悪影響が出てしまいます。
訪問後は「失敗ではなく経験」と捉え、冷静に原因を振り返りながらも前向きに気持ちを切り替える姿勢が大切です。次の訪問で成功するための材料を得られたと考えれば、モチベーションも保ちやすくなります。
ポジティブに受け止める習慣を身につけることで、精神的な負担が軽減され、長期的に営業活動を続けやすくなります。前を向いて次の訪問に備えることが、営業の成長に直結します。
法人営業で飛び込みに代わるアプローチと代行活用法

飛び込み営業は有効な手段のひとつですが、効率や心理的負担を考慮すると別の方法も検討する価値があります。現代の営業活動では、複数の手法を組み合わせることで成果を高めるスタイルが一般的です。ここでは、代替アプローチや営業代行活用の具体的なポイントについて詳しく解説します。
テレアポやメール営業と組み合わせる
飛び込み営業の効率を向上させるためには、事前にテレアポやメールで軽く接触しておくのが有効です。訪問予定の企業に電話やメールで連絡を入れ、担当者の予定や興味の有無を確認しておけば、断られるリスクが低くなります。
事前に簡単な資料を添付し「詳細は訪問時にご説明します」と一言添えるだけでも、相手が心の準備をしやすくなり、話を聞いてもらえる確率が上がります。下準備は、担当者の心理的ハードルを下げるだけでなく、訪問時の会話もスムーズに進みやすい効果があります。飛び込み営業にテレアポやメールを組み合わせることで、効率と成果のバランスが取りやすくなるでしょう。
展示会やオウンドメディアの活用
新規の接点を増やすためには、展示会への出展やオウンドメディアの運営も非常に有効です。展示会は、自社のブースを訪れた来場者とその場で話せるため、効率よくリードを獲得しやすくなります。
また、オウンドメディアで有益な情報を継続的に発信することで、潜在顧客からの問い合わせが増えるケースも珍しくありません。仕組みを構築すれば、訪問営業だけに依存しない営業体制が整い、効率も飛躍的に向上します。飛び込み営業の負担を減らしながら、新規開拓を進めたい企業にとって非常に効果的な方法です。日々の営業活動にぜひ取り入れましょう。
営業代行を使うメリットと注意点
営業リソースが限られている場合には、営業代行を活用するのも一案です。営業代行を利用すると、経験豊富な担当者が訪問し、商談機会を生み出してくれます。結果、自社の営業担当者は成約や提案の準備に専念できるため、全体の効率を向上させることが可能です。
しかし、代行に任せきりになると、自社の方針に沿わない営業が行われてしまうリスクがあります。依頼前にはターゲットや提案の方向性をしっかり伝え、定期的に進捗を確認する体制を整えることが重要です。工夫をすることで、営業代行のメリットを最大限に引き出すことができます。
代行会社を選ぶ際に重視するポイント
営業代行会社を選ぶ際は、料金だけに注目せず、実績や得意分野まで必ず確認しましょう。業界やターゲットに特化した経験がある会社であれば、提案の精度や商談化率が大きく異なります。さらに、担当者との連絡が円滑かどうかや、提出されるレポートの内容が詳細かどうかも見極めるべきポイントです。
複数社に相談して比較検討し、最適なパートナーを選ぶようにしてください。初回の打ち合わせで目的や目標をすり合わせておくことで、期待に沿った成果につながりやすくなります。信頼できるパートナー選びが、長期的な営業成功の基盤になります。
まとめ
法人向け飛び込み営業は、適切な準備と工夫を重ねることで今でも十分に成果が期待できる営業手法です。訪問前の計画や訪問時の立ち居振る舞い、訪問後のフォローアップまで、それぞれの場面で意識するポイントを押さえることで、効率よく信頼関係を築けるようになります。
さらに、テレアポや展示会、営業代行などの手段を併用することで、営業活動全体の負担を軽減しながら成果を高める戦略も可能です。
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