ビジネス環境のデジタル化が進むなか、営業活動でもオンラインを活用した取り組みが増えています。特に着目されているのが「デジタルセールスルーム(DSR)」と呼ばれる仕組みです。従来のメールや電話でのやり取りでは把握しきれなかった顧客とのやり取りを整理し、最適な資料提供やコミュニケーションを実現する手法として注目を集めています。
本記事では、DSRとは何なのか、なぜ今求められるのか、その機能やメリット、さらに導入から運用までのステップや代表的なツールをまとめて解説します。
営業の効率化や顧客満足度の向上を目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
1. デジタルセールスルーム(DSR)の基本概念
デジタルセールスルーム(DSR)の基本概念を説明します。
デジタルセールスルーム(DSR)とは?
DSRは、顧客目線で情報を一元管理するオンラインプラットフォームです。BtoB企業が潜在顧客と情報や営業資料を共有し、効率的に営業活動を行えます。売り手と買い手はリアルタイムでチャットしたり、動画メッセージや資料を共有したりできます。通常、DSRは営業担当者と潜在顧客が初めて会う前に準備されます。
営業側が提供するコンテンツには、以下のような顧客にとって有益な資料が含まれます。
- ミーティング前のアジェンダ
- 製品カタログ
- 価格リスト
- 見積書
- 注文書
- 販売提案書
上記のような資料をオンラインで提供することによって、企業は顧客との取引をスムーズに進めることができます。
DSRが求められる背景
DSRが求められる背景については、以下が挙げられます。
営業現場での必要性
BtoB営業の意思決定者の約70%は、対面よりもデジタルコミュニケーションやセルフサービスを好みます。メールだけに頼る古い方法では効率が悪く、手間がかかります。そのため、DSRが求められています。DSRは、安全でインタラクティブなプラットフォームで、営業担当者と顧客がリアルタイムで商談を進められます。
顧客側にとっての必要性
顧客視点で見ると、DSRを利用することで必要な情報を望むタイミングで得られる可能性が高まります。顧客は常に手厚いフォローや頻繁な接触を求めているわけではありません。検討段階に適したアプローチが求められています。
例えば、資料の更新やバージョン管理が一元化されているため、担当者への再依頼やメールの到着を待つ手間が減り、検討をスムーズに進められます。さらに、チャット機能やコメント欄で追加の質問をその場で行えるケースもあり、社内の稟議や意思決定にも効果的です。
適切なタイミングで必要なアプローチを受け取れる環境が整えば、導入判断が進みやすくなるだけでなく、購入後のフォローまで円滑に進むため、顧客満足度が向上しやすいでしょう。担当者との連絡履歴やドキュメントがひとつのプラットフォームに集約されることで、長期的かつ顧客にとって有益な関係維持にもつながります。
DSRを商談以外で活用する方法
DSRは商談中に資料を共有するだけでなく、プレセールスや失注後のフォローなど、多様な営業シーンで活躍する仕組みです。たとえば、まだ商談に進めるか迷っている見込み客へは、DSRを使って製品概要や導入事例を先に提示し、興味度合いを測りやすくなります。
失注した顧客に対しても、状況が変わる可能性を踏まえて情報を残しておけば、後日再アプローチする際の手間を大幅に減らせます。さらに、営業チーム内で顧客とのやり取りを一括管理すれば、個別担当の引き継ぎが発生しても履歴を参照しやすくなり、無駄な二度手間を防止できるでしょう。
こうした事前準備やアフターケアにDSRを取り入れることで、最適なタイミングで顧客との接点を持てるため、機会損失を減らすことにつながります。
2. DSRのメリットと効果
以下にて、DSRのメリットと効果について解説します。
営業担当にとってのメリット
①営業プロセスの効率化
DSRを使うと、どの営業資料が有効かを簡単に把握できます。閲覧履歴を分析することで、どの資料が注目されているか、どこが理解しづらいかが分かります。また、どのターゲット層にどのコンテンツが響くかも分かり、営業力がアップします。
②コンテンツ管理と共有
DSRでは、アップロードしたコンテンツや顧客の情報を一元管理できます。これにより、製品情報や価格情報、契約情報にすぐアクセスでき、業務の効率が劇的に向上します。さらに、複数の顧客を同じルームに招待したり、グループチャットを使うことで、顧客管理がよりスムーズになり、チームのコミュニケーションが促進され、より効果的な営業活動が展開できます。
③顧客との適切な関係を築ける
DSRを通じて顧客とコミュニケーションを取り合うことで、情報共有のタイムラグが減少し、関係性の質が向上する可能性があります。また、資料閲覧状況や興味を示すポイントを把握できれば、顧客の要望を先読みして適切な提案が行えるでしょう。
しつこい営業連絡や不要な資料送付を避け、顧客の反応に合わせたフォローを行える点も、相手からの好印象につながります。日常的なコミュニケーションをDSR上に集約すれば、担当者が交代しても履歴を簡単に引き継ぐことができるため、長期的な顧客関係の継続にも役立ちます。
購買担当にとってのメリット
①購買プロセスの支援
DSRを使うと、営業コンテンツが一か所に集まり、簡単にアクセスできます。プラットフォームにログインするだけで、必要な情報がすべて一か所に集約されており、その情報の共有もスムーズにおこなうことができ、メールを探す手間がなくなり、情報共有がスムーズになります。これにより、セルフサービスでの購入や学習がしやすくなり、顧客の満足度が向上します。
②リアルタイムのコミュニケーション
DSRでは、ミーティングの設定が簡単で、話し合いたい内容や確認事項がすぐに営業担当者と共有できます。資料や動画もいつでもアクセス可能で、別の場所に問い合わせる手間が省けるため、顧客の利便性が大幅に向上します。このように、DSRを活用することによって、リアルタイムでコミュニケーションを取ることができます。
3. DSR(デジタルセールスルーム)導入に向いている企業の特徴
DSRは、商談数が多い企業や商品やサービスの種類が多い企業に特に適しています。商談数が多いと、過去の内容を営業担当も顧客も忘れてしまうことがあるため、認識に齟齬が生まれる恐れがあります。DSRを利用することで、過去のやり取りを参照しながら進められるため、効率的な商談の実現が可能です。
また、拠点が複数に分散している場合や、扱う製品・サービスが複雑で提案資料が膨大になる場合にも情報の一元管理ができるメリットを享受しやすいです。さらに、営業工程における失注理由の把握や、顧客への追加提案を継続的に行いたい企業は、DSR上で履歴を追跡することで効果を高められるでしょう。
4. DSRとSFAの比較と連携
以下にて、DSRとSFAの比較と連携について解説します。
SFAとDSRの違い
定義と役割
SFAとDSRの主な違いは、情報を誰に見せるかです。
SFA(Sales Force Automation)は、営業担当者が商談の進捗や提案内容、実績などを管理するツールです。営業担当者が目標達成に向けて必要な情報を得るためのもので、社内向けのツールです。
一方、DSR(Digital Sales Room)は、顧客向けのツールで、交渉に必要な情報を提供します。ロジックや議事録の共有、次のステップの案内などが含まれます。DSRは、顧客がスムーズに購買プロセスを進めるためのツールです。
向き・不向き
SFAは、数値レポートやダッシュボード作成に優れています。業績の予算対実績管理やKPIの表示が得意ですが、顧客の詳細なアカウントプランやソリューション提案には不向きです。
DSRは、顧客の課題や目標を整理し、具体的なアクションを提案するのが得意です。顧客との取引を成約に導くための論理的なアプローチが可能ですが、詳細な商談パイプライン分析には向いていません。
関連記事:MA・SFA・CRMの違いとは?導入すべきツールと効果的な使い方を徹底解説
SFAとDSRの連携
ツール連携
SFA(営業支援システム)とDSR(デジタルセールスレポート)は、どちらか一方を選んで使うものではなく、互いに補完し合う関係にあります。ツールを連携させてデータを統合することで、営業部門が保有するデータの質を向上させることができます。
データ連携
短期的には、SFAの顧客データにDSRのページリンクを追加することで、定量情報と定性情報をより深く理解できます。
中長期的には、SFAにDSRの情報を組み込むことで、多角的なレポートやダッシュボードを作成し、営業活動をより効果的に分析・管理することができます。
5. DSRの主要機能とおすすめツール
以下にて、DSRの主要機能とおすすめツールについて解説します。
【営業向け】DSRツールの基本機能
営業向けのDSR機能は、複雑なプロセスをシンプルに管理する仕組みづくりに重点を置いています。
営業コンテンツの設置
DSRでは、ケーススタディや顧客の声、プレゼン資料などを提供できます。製品構成の見積もりやカスタマイズも可能で、個別のニーズに合わせた体験を提供できます。
案件の承認機能
DSRには、電子署名機能があり、顧客が簡単に契約や注文を進められます。NDAや契約書なども手軽に確認できます。
SFA/CRM連携
SFAやCRMと連携することで、営業活動のデータを一元管理できます。これにより、情報の二重入力や管理が簡単になります。
ノーコードCMS
ノーコードCMSは、プログラミングの専門知識がなくてもページデザインやコンテンツ編集を行える仕組みです。DSR内でこの機能が提供されると、営業担当が自在に画像やテキストを配置し、顧客向けの特設ページを短時間で用意できます。
専任の開発者がいなくても柔軟にコンテンツを変更できるため、顧客ごとに細かいカスタマイズを手動で行うことが可能です。
パーソナライゼーション
パーソナライゼーション機能を使えば、顧客の業種や役職、閲覧履歴に応じて見せ方を変える仕組みが整います。たとえば、大手企業向けには実績豊富な事例を強調し、中小企業向けにはコスト面のメリットを前面に出すなど、個々のニーズに特化したページ構成を自動生成できます。
そのため、手動で担当者が切り替えなくても、顧客属性を判別して適切なコンテンツを提示すれば、資料選定の手間が軽減され、ターゲットとのコミュニケーション精度が上がるでしょう。
より的確なアプローチが実現し、成約率や顧客満足度を高める可能性が広がります。
エンゲージメント分析
DSRでは顧客がどのファイルをどのくらい閲覧したか、何回ログインしたかなどのデータを蓄積し、可視化する機能が備わっている場合があります。これにより、興味を示しているポイントが分かり、フォローの優先度を判断しやすくなります。
また、資料ダウンロード回数やコメント数など、定量的な指標を分析することで、顧客との関係強化に役立つ行動を洗い出せます。
行動データを基に営業戦略を再構築し、効果的なアプローチを繰り返す循環を作ることで、成約までのプロセスを最適化できるでしょう。
商談テンプレート機能
商談テンプレート機能は、頻出する提案手順や必要書類のセットをあらかじめ用意しておくことで、担当者がすぐに活用できる形にしておく機能です。
新規の商談や類似案件が発生した際、テンプレートを選ぶだけで必要事項や資料が一通り準備できるため、スピード感を持って提案を進められます。品質面でも見落としや資料不足のリスクを減らせるのが利点です。営業リーダーやマネジャーが成功ケースをベースにテンプレートを整備すれば、全社的に商談品質の底上げが期待できます。
【顧客向け】DSRツールの基本機能
顧客向けのDSR機能は、検討材料を集める手間を減らし、質問やリクエストをスムーズに行えるように設計されています。
顧客向け検討推進ページ
このページにログインすれば、提案された商品情報や料金プラン、動画チュートリアルなど、検討に必要な資料がすべて揃っている状態になります。利用者は社内での共有や比較検討を簡単に行え、別途メールを依頼する必要がありません。更新の通知を受け取りやすい設計になっていれば、最新の情報を常に追いかけながら判断ができます。
商品情報・価格の掲載
DSRツールは、営業活動に関連する以下のような情報を一つのプラットフォームで管理できます。
- 顧客の連絡先
- 製品の詳細
- 価格情報
また、最新の製品情報や価格を常に更新しているので、顧客は必要な製品とその価格を手軽に確認することが可能です。
リアルタイムコミュニケーション
セールスルーム内でリアルタイムにコミュニケーションを取れるようになることで、プロジェクトの進行がスムーズに進み、関係者のメールが埋もれてしまう心配がなくなります。
営業担当は、ワンクリックで商談の進捗を簡単に確認でき、リンク切れやメールの混乱を避けることができます。
おすすめのDSRツール
Openpage
openpageは、2020年からリリースされており、大企業や中小企業、スタートアップまで幅広い企業で活用されています。
使いやすいUIと直感的な操作方法により、これまでITツールを導入していなかった業種の顧客にも受け入れられており、以下のように、多岐にわたる業界で利用されています。
- 小売
- 製造
- 建設
- 介護
- 教育
- 物流
- 通販サービス
- 商社
新規営業はもちろん、既存顧客のサポートにも強みを持っており、現在は両者が半々の割合で利用されています。
出典:Openpage
DealPods
DealPodsは、営業担当者と顧客との間で行われるコミュニケーションを一元的に管理できるプラットフォームです。
具体的に、営業担当者と顧客のやり取りには、次のが挙げられます。
- 製品紹介や提案書などのドキュメント
- 参考Webページやデモンストレーション動画のリンク
- 議事録や案件サマリーといったテキストメモ
- 双方のタスク管理
- 連絡や質問に対応するチャット機能
上記のような情報を数十秒で統合し、専用WebページとしてまとめたURLを共有できます。
買い手は迅速かつ容易に必要な情報を入手でき、購買体験を向上させることが可能です。
一方、営業担当者はより迅速かつ確実に顧客と信頼関係を築き、案件の受注に繋げることができます。
出典:DealPods
Clientpoint
Clientpointは、見込み客と初めて接触する瞬間から機能できるプラットフォームです。
売り手がドキュメントやパンフレット、ビデオなど多様なコンテンツを組み合わせることで、買い手に対してパーソナライズされた体験を提供することが可能です。
送信される資料は企業のスタイルガイドラインに従ってブランド化されており、電子署名にも対応しているため、取引全体のプロセスを効率的に進めることができます。
出典:Clientpoint
Dealhub
DealHubは、買い手が提供されたコンテンツとどのように関わっているかを詳細に分析し、案件のコンバージョン率を向上させるための具体的な変更点を提案できるプラットフォームです。
顧客とのコミュニケーションから得られたデータを自動的にCRMシステムに取り込むことができます。
また、全てのコンテンツをその場で編集できる機能を持ち、マーケティングおよびセールスの担当者が見込み顧客に提供する資料をリアルタイムで更新することが可能です。
出典:Dealhub
Folloze
Follozeは、バーチャルおよび対面イベントを開催する企業や、ABMを実施しようとする企業を主な対象としています。
事前に選定されたコンテンツを複数のステージに分けて整理し、見込み顧客に対して包括的なコンテンツナーチャリングを体験できます。
有効性については、バイヤーズジャーニー全体を通じたタイムラインダッシュボードで評価することが可能です。
出典:Folloze
Showell
Showellでは、売り手が個別にカスタマイズされたDSRを作成し、リンクを介して顧客と共有する機能が利用できます。
顧客は、特定のブランドに合わせてデザインされたウェブページにアクセスし、関連するプレゼンテーションや録画されたビデオ、ドキュメントを閲覧することができます。
また、Showellの機能を使えば、プレゼンテーションに直接図や注釈を追加して、さらにパーソナライズすることが可能です。
出典:Showell
Bigtincan
Bigtincanは、パーソナライズされたマイクロサイトを利用することで、購入者はコンテンツの閲覧、質問の投稿、他の意思決定者との意見交換が可能です。
また、購買者の意図を把握するためのエンゲージメントデータを表示し、商談を成功させるためのフォローアップが簡単にできる点が特長です。
Bigtincanの既存機能と組み合わせることで、顧客のエンゲージメントの向上や購買者の体験の質を一層高めることができます。
出典:Bigtincan
Enablix
Enablixは、顧客にとって最適なコンテンツと体験を提供することを重視して設計されており、世界中の営業担当者によって広く利用されています。
Enablixを使うことで、複数のシステムを使うことなく、一つのアプリケーションから必要なコンテンツに迅速にアクセスすることが可能です。
また、プライバシーとセキュリティに対する強化機能が搭載されており、営業担当者が誤って社内資料や機密情報を外部に漏らすリスクを減らすことにつながります。
出典:Enablix
Beehivr
Beehivrは、営業担当者が潜在顧客をオンラインのミーティングルームに招待するためのプラットフォームです。
ミーティングが終了すると、営業担当者はDSRを作成し、会議の記録、製品の価格情報、関連資料、ウェブリンクなどの重要なコンテンツや洞察を共有することが可能です。
そのため、営業効率を高めることにつながります。
出典:Beehivr
GetAccept
GetAcceptは、営業担当者がより個別化されたアプローチで営業活動をおこなえるように支援するプラットフォームです。
具体的には、以下のように、多岐にわたる機能が組み込まれています。
- 営業動画の作成
- 提案書の作成
- 営業資料の管理
- 契約ライフサイクルの管理
- 電子署名
また、事前のミーティングの議題設定やビジネス提案書、見積書などさまざまな種類のテンプレートを簡単に作成することができます。
出典:GetAccept
JourneySales
JourneySalesは、古くから利用されているDSRプラットフォームです。
営業チームと顧客が共同で作業できるプライベートなDSRが利用できます。
この機能によって、関連するコンテンツにアクセスして、重要な意思決定者と連携し、取引を迅速に完了させることが可能です。
出典:JourneySales
6. DSRの導入ステップと運用方法
以下にて、DSRの導入ステップと運用方法について解説します。
導入準備と計画
営業課題の明確化
まずは自社の営業上の課題を明確にしましょう。DSRには得意・不得意があるので、営業数値や組織、営業能力などの課題を把握し、それに合ったDSRを選ぶことが重要です。具体的には、商談化率や受注率の改善が期待できるかを確認します。
導入ROIの設定
次に、DSRの導入でどれくらいのリターンを期待できるかを設定します。たとえば、月に40万円の投資で月100万円の売上増加を目指す場合、そのROIを計算して目標を明確にします。
ツール選定
DSRを選ぶ際は、リターンを最大化できる機能やサポート力があるかを評価しましょう。導入後に使い続けられるか、価格が妥当かも検討が必要です。投資に見合った成果が得られるかがポイントです。
DSRの運用体制の構築
運用チームの編成
運用チームを作るには、必要なスキルと役割を明確にし、適切なメンバーを選びます。データサイエンティストやITサポートなど、専門知識を持つメンバーが揃うと良いでしょう。定期的なミーティングで進捗を共有し、フィードバックを取り入れてチームのパフォーマンスを向上させます。
管理とモニタリング
DSRの管理では、個人データの収集・処理・保存・削除が適切に行われているかを監督します。データポリシーの制定や従業員教育も含まれます。モニタリングでは、定期的な監査やデータ漏洩の監視を行い、問題が発生した際には迅速に対応します。
成功のためのコツ
明確な入力内容の設定
DSRを効果的に使うためには、どの情報をどのタイミングで入力するかを決めておきましょう。最初は情報量を控えめにし、運用に慣れてから徐々に追加していくのが良いです。
商談での試用
DSRを使いこなすには、実際の商談で使ってみることが重要です。
- 商談前準備:DSRにアジェンダや必要な資料をアップロードする。
- 商談中の活用:アジェンダに沿って進行しながら、質問や提案をその場でメモする。
- 商談後のフォローアップ:DSRを使ってお客様と営業担当の両方にタスクを割り当てる。
- 次回商談の準備:次回の商談までに、顧客のDSRの利用状況をレポートで確認する。
上記の一連の流れを繰り返すことで、DSRを用いた営業活動の中で何がうまくいき、何がうまくいかなかったかを把握します。
マネジャーによる管理
DSRでは営業提案が視覚的に把握でき、顧客の反応も確認できます。営業マネージャーは、これを使って案件を管理し、必要なアドバイスを提供することができます。顧客のニーズに合わせた提案を行い、商談の質を向上させましょう。
コンサルティングや研修の活用
コンサルティングや研修を活用することも選択肢の一つです。DSRの使い方の学習に一度投資をして、得たノウハウを社内のオンボーディングで活用できます。
関連記事:営業支援コンサルおすすめ5選!選び方や支援内容も解説
7. DSRの活用成功事例
セールスアセットでも、DSRのひとつ「openpage」を活用し、営業の効率化や顧客体験改善に成功しています。活用成功事例を紹介します。
顧客との提案・ディスカッション履歴が分かりやすくなった
openpageに切り替えたことで、提案資料や案件情報が視覚的に整理され、情報の見やすさが改善されました。これにより、ディスカッション型営業がより効果的に行えるようになりました。
受注率と提案単価の向上した
openpageの導入により、提案の質が向上し、受注率が大幅に増加。提案内容の説得力が増し、受注単価の上昇にも繋がりました。
営業工数の削減とプロジェクト管理が効率化された
営業活動の工数が大幅に削減され、プロジェクトマネジメントの効率も向上しました。テンプレート活用で案件立ち上げ時の作業が迅速に行えるようになりました。
商談リードタイムの短縮
DSRを活用することによって、国内の大手企業との商談において、商談から2週間で契約が成立しました。
DSRを導入する前は、商談リードタイムは3〜4ヶ月ほどかかっていましたが、DSRを活用し、顧客の担当者に対して「社内の決裁プロセス」と「決裁者の判断基準」を考慮した製品導入のロジックを丁寧に提示することで、商談リードタイムの短縮につながりました。
DSRを使ってお客様と共に論理を構築することで、決裁者の承認プロセスが大幅にスピードアップし、迅速な契約成立を実現しました。
受注率の向上
DSRを活用して、各企業に対する提案や計画をデジタルで効率的に管理することで、営業成績を向上させることに成功した事例があります。
営業成績を向上させるには、顧客企業内での承認プロセスの成功確率を上げることが重要です。
そのためには、製品導入に際して顧客企業の関係者を正確に把握し、各関係者の意向や意思決定の基準を整理し、企業全体や各部門の方針を理解することが必要です。
また、DSRを用いて顧客との対話やヒアリングをおこない、各関係者に対して導入を促進するための論理を共有し調整することで、顧客の説得力を高めることができます。
このようにして、全ての商談において建設的な承認プロセスを実現し、営業チーム全体の受注率を向上させることに成功しています。
成功・失敗シナリオの共有
DSRではどんな提案や段取りによって取引が成功したのか、失敗したのか。営業担当と顧客担当それぞれのアクションの時系列をさかのぼって共有、確認できます。
定期的な営業MTGで、うまくいった取引の進め方、お客様からいただいているコメント、稟議成功の鍵となったロジックを共有し、分析することで、営業組織のPDCAを高い精度で回すことが可能です。
また、案件情報の引き継ぎや、上長にフォローをお願いするときの状況共有、営業会議での案件情報の詳細発表といったシーンにおいても、DSRの掲載情報が役に立ちます。
8. まとめ
BtoB営業プロセスの複雑化に対応するための、DSRの活用方法を紹介しました。
DSRは営業資料のデジタル化、商談内容の可視化、タスク管理など、営業活動に必要な機能を幅広く提供します。また、充実したサポートやカスタマイズ機能で、さまざまな営業組織のニーズにも柔軟に対応できます。
営業の効率化やオンラインコミュニケーションの強化、顧客体験の向上を目指す方には、DSRの導入をおすすめします。
DSRの活用方法に悩んでいる方は、営業活動全体の効率化を得意とし、成長企業をサポートする株式会社SALES ASSETがおすすめです。社内にリソースがない場合や顧客獲得が思うように進まない場合は、お気軽にご相談ください。
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