2024年8月のウェビナーレポートをお届けします!
今回のお題はこちらーー
「事業を成長させるマーケティングの進め方」
登壇者 柴田 雄平(しばた・ゆうへい)株式会社koujitsu 代表取締役社長
吉武 利起(よしたけ・りき) 株式会社SALES ASSET 代表取締役CEO
事業立ち上げから6か月で400%の成長を達成し、残りの期間も600%〜700%の着地を目指して奔走中のSALES ASSET(以下、セールスアセット)ですが、6か月でどのような成果を出してきたのでしょうか。具体的な成果は次の通りです。
- インサイドセールス(IS)組織をすべて外注化し、月間80商談を創出
- 0組織からBtoB組織の立ち上げ、KPIの明確化と計画目標の達成
- 成果報酬から取り組みがスタートし、トスアップ案件の30%が成約につながる
- 固定IS組織の立ち上げ開始
- バーティカル領域において、新規サービス立ち上げを行い、初月から安定した商談を実現
実はこのような結果を出し、現在の事業体制が築けている大きな理由の一つに「株式会社koujitsu」の存在があります。今回はその支援やサポートの裏側、プロセスを次の項目に沿ってお伝えします。
ぜひご参考にしてください。
(以下、話者吉武)
目次
◆セールスアセット1期目から400%成長!事業成長の沿革
『1期目と比べて400%成長』と聞くと「順風満帆、すぐに軌道に乗った」と見えるかもしれませんが、1期目は本当に悲惨な状態でした。なぜ悲惨な状態だったのか、はじめにセールスアセットの成り立ちについてお話します。
私、吉武は2022年1月より個人事業主としてスタートし、業界問わず営業支援やSNSマーケティング支援など幅広く事業を展開していました。その時に昔からお世話になっていた株式会社koujitsuの代表取締役社長である柴田雄平さんと再会し、何度もお会いして事業の相談をしていました。そのなかで法人化へ向けての背中を押していただき、同年10月に株式会社SALES ASSETを創業することとなりました。
それからはセールスアセットの役員として柴田さんに参画していただき、マーケティングだけでなく経営面についてもアドバイスをもらっています。
法人化した後は、完全報酬型の営業代行で事業をスタートしました。その中で固定案件ができたりするものの、事業が成り立たなくなっていきました。組織ができない、採用ができない、売上がたたない…など事業に関係すること全てが悲惨な状況だったと思います。
事業自体も個人事業主の延長線上であり、会社としてのミッション・ビジョンも曖昧、セールスアセットらしさもなく、事業計画も大きく遅れていました。そんな状況のため、正社員や役員候補を採用できない、業務委託メンバーも定着しない、本当にどうしていいか分からない状況でした。
このような状況のため、1期目の課題・振り返りは次の通りです。
表に示した通り、振り返りではすべて×の状態でした。「会社経営をしていたら起こりうる役員との衝突や離職、資金繰りなどさまざまな壁があったなぁ」と今だからこそ当時を振り返ることができています。
そして2期目に向かうにあたって、計画を立て直しました。柴田さんにサポート(日々のやりとり、事業のブラッシュアップなど)をしていただき、まず四半期ごとにやるべきことをロードマップを引いて可視化しました。その結果、正社員5名、業務委託25名を採用することができました。これも事業が固まり、事業を進めるためのアクセルを踏めたことが要因だったと思います。
営業やマーケティングも形になってきて、今では新規メンバーに案件を任せられるようになってきました。私自身が案件に入ることも少なくなり、時間に余裕ができたことで事業についてもさらに深く考えることができるようになりました。
2期目を振り返ると少しずつですが、できたことが増えてきたように思います。
以上が、創業から現在までの事業沿革となります。次に事業を大きくしていくための市場を捉え方、向き合い方、そのための議論テーマについて説明します。
◆市場を捉えるための議論
セールスアセットでは毎週役員会を開催しています。役員会ではさまざまな角度で市場やお客様、勝ちパターンなどを分解し、議論を行っています。議論をしたテーマは次の通りです。
- 営業支援や組織の運用にあたっての課題の分解・営業組織の発掘
- 3C(市場、自社、競合)分析
- どういう順番で市場を抑えるのか、市場レベルの分解・パターン分け
- デリバリー体制など社内教育・仕組み
- 受注前のプロセスや受注後のプロセスなどの難易度分解
そして、市場だけでなく、自社についても徹底的に見直しを行いました。
- アセットの価値について見直す
- 価値発揮のための人材要件(必要な人員像や育成、評価程度など)
- 自社提供の価値の明確化・価格について
- 営業支援の要素の構成・質が高い支援、質が低い支援の分解
- 支援の最適化
- 営業支援組織の課題の全体像
このような思考のフレームとコンセプチュアルスキルを用いた議論を毎週繰り返していくことで、抽象化したものが具体的になっていきました。議論を進めるなかで「この市場が抜けてないか?」という問いが出るたびに、再度深く考えていきました。
そして、何より重視したのが、KPT分析です。
KPT分析では10項目について問いを作り、その問いに対しての仮説をたて、1週間実行して結果を確認して、また問いをつくる、というPDCAを約50週行いました。特に次の3項目は集中的に実施しました。
- マーケティング全般
- 新規開拓営業
- 既存案件デリバリー
社内ですぐに相談できる体制を作っていたので、PDCAを回していく中で少しでも気になることがあると、問題になり得る前に相談・検討を行い、徹底的に改善していきました。このKPT分析は、事業をやるうえでも重要な項目になっており、営業先のクライアントへも活かしています。
◆ブレイクスルーポイントからの変化
2つのブレイクスルーポイント
議論を進める中で起こったブレイクスルーポイントは、「業界にしぼっていく」「創業年数で絞っていく」ということが勝ちパターンとして見えた時でした。
ブレイクスルーまでたどり着いた要因として、大きく2つあります。
- 市場に対してPDCAを回すことができた
- 受注した企業の分析から、できたこと・できなかったことの考え方や成果が可視化された
先ほどもお伝えした通り、KPTの分析を細かく実施しました。分析して結果が見えた瞬間から計画を立て実行し、評価し、対策を立てる、これを繰り返し行ったことがとても大きいと思います。
そしてお客様とのコミュニケーションとして、週1回の定例ミーティングで細かいレポーティングを行うことも重要だと考えています。ミーティングでは進捗報告だけでなく、改善提案ができる体制を整えて挑み、本音で話せる、コミュニケーションが取りやすい空間を作るように意識しています。
想定よりLTVが長かった
事業を進めていく中で想定外だったのが、解約が起きなかったことです。弊社の強みは、営業だけでなく経営面でもお客様と一体となれるようサポートしていく体制づくりです。分析を基にお客様と期待値をすり合わせていくことで、解約が少ない状況を作れたと思います。
長く付き合いができるお客様が増えていくことで、資金面も安定し、業務委託の人たちを採用していくことができました。少しずつ時間が取れるようになってくるなかで、創業当初から思考していた「セールスアセットとしての価値を発揮しながら、お客様に貢献できること」を実現するため、営業をせずに紹介を生み出していく工夫を考えました。
今では既存顧客からの紹介が圧倒的に多く、また事業規模の大きい会社だと新規事業が立ち上がる際に営業の設計や管理実行ができる人材としてご相談をいただいています。
オンラインも対面も
セールスアセットでは対面での打ち合わせも重視しています。コロナ禍においてオンラインでの打ち合わせも加速してきましたが、オンラインを交えつつもなるべく「face to face」を大切にしています。
例えば名古屋のお客様の場合、2ヵ月に1回は名古屋へ赴いて対面での振り返りやフィードバックを行っています。そうしたコミュニケーションを取る中で、同じ名古屋でお付き合いのある会社様を紹介いただくことも増えてきました。
営業という会社の売上に直結する部分だからこそ、お客様と直接コミュニケーションとる姿勢も評価いただけてるのかなと感じています。
◆KBF・KSF特定のプロセスと営業参謀ができるまで
セールスアセットでは、自社の事業におけるKBFの分析、KSFの特定を行いました。KBF(Key Buying Factor)とは、顧客の購買要因のことです。3C分析や顧客分析を細かく分解して抽象化し、KSF(Key Success Factor=重要成功要因)を特定していきます。
具体的には、KSFとして「コアコンピタンスの特定」を重視しました。これは他社に真似できない能力となる核であり、目に見えない強みのことです。
コアコンピタンスを明確にするために、クライアントへのインタビューを実施しました。どういったところにセールスアセットとしての価値を感じていただいているのか、実際に生の声を聴きに行くことで価値を見出すことができ、より事業内容が明確になってきたというわけです。
インタビューを行う中で、次の点で価値を感じてもらっていることが分かりました。
- 戦略や営業への落とし込み、細かい数字を一体となってたてること
- 稼働した後のレポートや改善提案によってプロダクトの進化を実感していること
- レポーティングして体系化、仕組化するためナレッジやノウハウが社内でも展開できること
- ノウハウが貯まるので、新入社員への展開がすぐにできること
- 新規事業においても社内の立ち上がりが早くなっていること
その中で生まれたのが、「伴走型の営業支援」です。サービスのコンセプトをリニューアルして『営業参謀』になりました。
◆まとめ
本記事では、「立ち上げから6ヶ月で400%成長を達成したマーケティングプロセス大公開」という内容でお話させていただきました。今は順調に売り上げを伸ばしているように見えますが、1期目は目も当てられないほど悲惨な状況でした。その中でも思考のフレームとコンセプチュアルスキルを用いて、ティーチング・コーチングしていくことで事業内容が固まり、社内も円滑になるようになってきました。
自社の事業内容や根幹については深く思考し続けて、PDCAを回していくことがとても重要です。それと同じくらい、クライアントへの直接インタビューを通して自分たちでは気づかない部分や価値と感じている部分を明文化して、さらに解像度をあげていくということを大切にしてきました。
それを繰り返し行っていくことが、「立ち上げから6か月で400%成長を達成した」大きな原因の一つです。
「一度話を聞いてみたい」「成功の秘密に興味がある」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。貴社の現状や課題、目標まで意見交換をしながら、営業戦略のご提案をさせていただけたらと思います。
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