保母電設が選んだ”テンプレに頼らない”改革法──ゼロから創る、自分たちの評価制度
保母電設株式会社
- 明確な評価制度がなく、モチベーションの指標が曖昧だった。
- 自分たちで評価制度構築に試みたが、管理職以上の基準設計が難航した。
- 幹部それぞれが異なる理想像を持ち、組織として「強いチームとは何か」の価値観がバラバラだった。
- 育成と自己理解を目的とした制度が整備され、社員の成長段階や貢献度が可視化された。
- 教育センターの新設や採用面談の質的向上、組織図の見直しなど、制度を起点に社内全体が進化。
- 現場中心だった会話が「教育」「戦略」「評価」などへ広がり、幹部・社員ともに意識がロジカルにシフトした。
一般電気工事業を営む保母電設は、給与や評価が属人的に決まることに課題を感じ、かねてより評価制度の整備を模索していました。
SALES ASSETの支援を受けたことで、研修を通じて幹部の意識が統一され、半年以上をかけて独自の評価制度を構築。制度は教育・採用・組織設計にも波及し、会社全体に変化をもたらしています。
今回は、代表取締役の保母恵吾様と施工管理部部長の鳥居啓介様に、制度導入の背景とその成果を伺いました。
課題は「さじ加減の評価」──制度なき組織の限界と変えたい想い
――まずは保母電設様の事業内容と組織体制について教えてください。
保母様:私たちは一般電気工事業を営んでおり、大きく「施工部」と「施工管理部」の2つの部署があります。実は評価制度の必要性は、今から5年ほど前から感じていました。営業支援とは別軸で、以前から社内で評価制度やマニュアルを作りたいと思っていたんです。

若いころから、建設業界の曖昧な給与の決め方に違和感を持っていました。「上のさじ加減」で決まっているように感じることもあったんです。頑張っても評価される基準がない。会社として「あなたにはこういうことを期待していますよ」と明示するものがないと、働く側も納得感を持てないですよね。
――業界全体としても、評価制度が整備されていないのが現状なのでしょうか?
鳥居様:そうですね。入社前に私も他の企業で働いた経験がありますが、職人主体の会社では評価や目標が不明確なまま働いている人が多いと感じていました。若手が増えていく中で、「納得感のある評価」「成長の指標」は必要だと思っていました。
保母様:ただ、実際に制度を作ろうとすると難しくて。例えば新入社員から中堅までの段階はある程度の項目を作れたのですが、管理職以上になると「何を基準にするか」が見えなくなってしまったんです。自分自身も、その役割で何が求められるのか明確にできていなかったんですよね。
――制度が曖昧だと、社員のモチベーションにも影響しますよね。
鳥居様:そうなんです。私自身も前職では、「声が大きい人」「可愛がられている人」が評価されがちで、実力があっても埋もれる人を見てきました。そういうフラストレーションがあって、入社前から保母と「会社としてあるべき姿」について話し合っていました。
保母様:僕は「プロ野球の球団」のような会社を作りたいと思っているんです。選手一人ひとりは自分の年俸や成績を気にするプロだけど、全員が「チームの優勝」を目指している。個の努力がチームに向かうあの感覚。管理されすぎない、自主性のある組織に憧れていました。
自分たちで作るために、外の力を借りる──SALES ASSETとの出会いと研修の衝撃
――評価制度の課題を感じる中で、SALES ASSETに相談することになったきっかけを教えてください。
保母様:SALES ASSETさんには以前から営業支援を受けており、会話の中で「評価制度を作りたいけど、うまくいかない」と相談したことが始まりです。評価構築支援サービスを紹介していただいて、僕が持っていた理想の会社像や評価制度のイメージとほとんど一致していたため、お願いしようと決めました。
――研修はどのような形で始まったのでしょうか?
保母様:いきなり制度を作るのではなく、まず「評価制度とは何か」「なぜ必要なのか」といった本質的なところを学ぶ研修からスタートしました。そのアプローチがすごく良かったです。
鳥居様:最初に「評価」という言葉に対する誤解を壊してくれたのが印象的でした。評価=裁くもの、という意識があったんですが、実際には「育てるためのツール」なんだと理解できたことで、考え方が180度変わりました。

――研修を受けた感想も聞かせてください。
鳥居様:幹部間で共通の言語や価値観ができたのがよかったです。元々、それぞれが持っていた理想や意見はありましたが、それをベースに「会社とは何か」「強いチームとは何か」を改めて考え直し、同じ方向を向けるようになった感覚があります。
保母様:共通の土台ができたことで、その後の議論もすごくスムーズになりました。最初から評価の話に入っていたら、ここまでまとまらなかったと思います。
全員で創る評価制度──議論と棚卸しから生まれた納得の仕組み
――実際に評価制度の設計に入ってからは、どのように進めていかれたのでしょうか?
保母様:最初は月1回、5時間の研修というペースでしたが、進めるうちに物足りなくなって月2回に増やしました。全体として半年ほどかけて設計し、その後、確認と社内展開にさらに数ヶ月かけています。
鳥居様:制度づくりは、評価項目を出し合うところから始めたのですが、幹部同士でかなりぶつかることもありました。でも、それぞれが何を大切にしているかを知る機会にもなって、結果的に良い議論ができたと思います。
――なるほど。実際にできあがったものは、自分たちで作ろうとしたものと大きく変わったのでしょうか?
鳥居様:もともと僕らが作っていた制度は、できることを明確にするために「できる・できない」をベースにしていたのですが、もう少し「遊び」を持たせるようになりました。例えば「大体これくらいできていればOK」というような余白があることで、評価を受ける側の負担も軽減されますし、自分の弱点を見つける手がかりにもなるんです。
――社員の方には、どのように制度を共有されたのでしょうか?
保母様:制度完成の少し前に、全社員向けの研修を実施しました。僕ら幹部が体験してきたワークや気づきを社員にも共有し、「これは裁くためじゃなくて、育てるための制度だよ」と丁寧に説明しました。
鳥居様:最初はやっぱり「評価される」ことに不安を感じる社員もいましたね。でも、幹部がしっかり研修を受けていることを伝えたり、評価の意図を丁寧に伝えたりすることで、次第に不安は和らいでいきました。
評価制度が会社を変えた──採用・教育・組織図まで進化
――完成した評価制度が運用フェーズに入ったことで、社内にはどのような変化が見られましたか?
保母様:まず、教育制度そのものがなかったので、新たに「教育センター」を立ち上げました。評価制度の整備をきっかけに、「しっかり教える」「成長をサポートする」っていう文化を作ろうと決めたんです。教育センターがあることで、採用の場面でも「うちは育成環境がありますよ」と自信を持って伝えられるようになりました。評価制度もあるので、給与の決定が曖昧じゃないということも説明できます。
鳥居様:面談の時の会話も変わりますよね。昔は「うちはこういう会社です。頑張れば稼げます」っていう、割と感覚的な説明しかできなかった。でも今は「こういう制度があって、こういうルートで成長できます」と言えるので、求職者にも安心感を持ってもらえます。

――評価制度が会社全体の土台になっているのですね。
保母様:そうですね。評価制度を生かして組織図も見直しました。これまではただ役職が書いてあるだけのピラミッド型だったんですが、今は評価ステージごとに誰がどのチームに入るべきか、どのステージの人が組むと効率が良いか、といった細かい部分まで設計しています。
――最後に、お二人が実感している評価制度の必要性と、今後の展望についてお聞かせください。
保母様:本当に、会社が180度変わった感覚です。今までは「いけいけどんどん」で目の前の仕事をこなすことに追われていましたが、今は「どう組織を成長させるか」という視点が明確に加わりました。
評価制度って、実は一番の「福利厚生」だと思ってるんです。交通費が出るとか、休みがあるとか、そういうのは当たり前。じゃあ何で差がつくかって言ったら、「頑張った分だけ報われる仕組みがあるか」だと思うんです。
鳥居様:評価制度を軸に、採用、教育、組織づくり、経営判断――すべてが連動するようになった。こんなに会社が変わるとは、正直思っていなかったですね。今後も、評価制度を進化させながら、業界のスタンダードになるような取り組みにしていきたいと思います。
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