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 営業プロセス可視化の重要性 商談プロセスの型化・マネジメントする方法をステップで解説

 営業プロセス可視化の重要性 商談プロセスの型化・マネジメントする方法をステップで解説

営業プロセスの可視化と型化は、営業活動の効率化と成果向上に欠かせない要素です。営業プロセスを明確にし、標準化することで、営業担当者間のスキルや知識のばらつきを減らし、一貫した質の高い営業活動を実現できます。

本記事では、営業プロセスの可視化の重要性と、その中でも特に重要な商談の型化について詳しく解説します。

また、アウトバウンド商談の型化プロセスやバイヤージャーニーの整理ポイントについても具体的に紹介し、効果的な営業マネジメントの方法をステップごとに解説します。

 営業プロセスの可視化とは

営業プロセスの可視化とは、営業活動の一連の流れを整理し、見える化することを指します。リードの獲得からアポイント設定、商談、クロージング、受注、そして顧客維持・育成までの各ステップを明確にすることで、営業活動の効率化や効果的なマネジメントが可能になります。

 可視化を通じたセールスイネーブルメント

営業プロセスの可視化は、セールスイネーブルメントの一環として重要な役割を果たします。セールスイネーブルメントとは、営業活動を効率化し、営業チーム全体の能力を向上させるための取り組み全般を指します。

 営業プロセスの可視化が必要な理由

営業プロセスを可視化が必要な理由には下記のようなことがあります。

①営業スキルの標準化: 営業担当者間でのスキルや知識のばらつきを減らし、統一した営業スタイルを確立します。

②業務効率の向上: 各営業活動の進捗状況が一目で分かるため、無駄な作業を減らし、効率的に業務を進めることができます。

③課題の早期発見: ボトルネックや問題点を迅速に見つけ出し、改善策を講じることが可能です。

④部門間の連携強化: 営業部門だけでなく、マーケティングやサポート部門とも情報を共有しやすくなり、全体的な営業活動の質が向上します。

 可視化するべき営業の6つのプロセス

営業プロセスを可視化するためには、営業活動の流れを6つのプロセスに分けて分析すると理解しやすくなります。

 1)リード選定

まず、見込み顧客となるリードを選定し、アプローチの対象を決定します。リードは購買意欲や営業の段階に応じて分類します。

その後、各リードの種類に応じて次に取るべきアクションを定義し、チーム全体で共有します。これにより、現状把握の精度が向上し、営業活動の組織化が進むとともに、ボトルネックの解消が促進されます。

次に、各リードの種類ごとにどの程度の件数や金額が見込まれるのかを数値で可視化することが重要です。どのリードに対していつ、何を行うのかを明確にすることで、時間軸や受注確度の観点から詳細に分析し、具体的な行動計画に落とし込みます。

これにより、営業活動全体の効果的なマネジメントが可能となり、成果の向上が期待できます。

 2)アポイント獲得

ポイント獲得は、見込み顧客との接点を作るための重要なプロセスです。電話、メール、SNSなどを駆使して、最適なタイミングでアプローチし、アポイントを確保するための手順を標準化します。

まず、電話やメールでのアプローチを行い、アポイントを確保します。この際、いつどの手段で何回連絡したのか、ヒアリング項目の何割を確認できたのか、その内容を数値や言語で可視化することが重要です。

これにより、進捗状況を一目で把握でき、次のステップである商談への移行がスムーズになります。

さらに、連絡が取れなかった場合の対応や、商談に進めるための条件も明確に言語化しておくと、プロセス全体が円滑に進行します。

このように、アポイント獲得のプロセスを標準化し、可視化することで、営業活動の効率化と成果の向上が期待できます。

3)商談

商談では、顧客のニーズを正確に把握し、最適な提案を行うことが重要です。商談の進め方やヒアリングポイント、提案資料の作成方法を一貫して実施することで、商談の成功率を高めることができます。

商談の基本的な流れは次の通りです。まず、顧客のニーズを把握し、その次に解決策を提示し、最後に商品やサービスの提案を行います。

各フェーズで具体的に何を行うべきか、何を達成すれば次のフェーズに進むかを明確に定義しておくことが大切です。

商談活動において、数値化すべき主な項目には、案件数、受注予測金額、受注確度、受注予定日などがあります。

これらのデータを蓄積することで、売上予測の精度が向上し、将来のために現時点で何をすべきかを明確に可視化することが可能となります。

このように、商談プロセスを体系化し、データに基づいたアプローチを行うことで、より高い成果を期待できます。

4)クロージング

契約の最終段階であるクロージングは、以下の3つのステップに分けられます。

  1. テストクロージング
  2. クロージング
  3. 契約締結

テストクロージングは、商談の途中で顧客の購入意思を確認するプロセスです。この段階で顧客の購買意欲を把握することで、成約率の高い商談にリソースを集中させることができます。

テストクロージングで顧客の契約意欲を確認できた場合、次にクロージングで契約の有無を明確に伺います。問題がなければ、契約条件を最終確認し、契約締結に進みます。

契約の最終段階で計画が白紙に戻らないよう、事前にリスクを検知し、回避策を講じることが重要です。最終承認者の確認や稟議のプロセスなど、全ての確認事項に漏れがないかをチェックしておくことが不可欠です。

 5)受注

受注時に行う主な業務は、契約処理、契約後の流れの説明、窓口や体制の説明、そして他部門への引き継ぎです。契約処理やサービス提供開始の際には、自社内の他部門との情報共有が非常に重要です。

例えば、経理部門には入金日と金額を、サービス導入支援部門には顧客が課題として感じている点を伝える必要があります。これらの情報をシームレスかつリアルタイムで共有し、可視化できる体制を整えることが、質の高いサービスを一貫して提供するための鍵となります。

全ての部門が適切に連携し、スムーズに情報を共有することで、顧客満足度を高め、円滑なサービス提供が可能になります。

 6)顧客維持・育成

営業プロセスは受注で終わるものではありません。顧客を維持し、リピーターやロイヤルカスタマーへと育成することが、契約更新やアップセル、クロスセルなどの売上増加に直結します。

特に、売り切り型ではなくサブスクリプション型の契約更新サービスを提供する企業にとっては、顧客を成功に導くことが重要な使命です。顧客が製品やセミナーなどのプログラムをどれだけ活用しているかを数値化し、計測することで、その活用成熟度に応じた追加施策を展開してみましょう。

これにより、顧客満足度を高め、継続的なビジネス関係を築くことが可能となります。

 営業プロセスの中で特に重要なのは商談の型化

商談の型化は、営業プロセス改善の中で最も重要な要素です。商談の進め方や提案内容を標準化することで、営業担当者のスキルに依存しない、一貫した質の高い商談を実現できます。

まず、商談の型化により、営業活動の効率が大幅に向上します。標準化されたプロセスに従うことで、どの営業担当者も同じ基準で顧客対応ができるため、スキルのばらつきが減少します。新人営業担当者でも、経験豊富な担当者と同様に効果的な商談を行うことが可能になります。

さらに、営業チーム全体のパフォーマンスを底上げします。各担当者が統一された方法で顧客にアプローチするため、チーム内での情報共有がスムーズに行われ、営業活動全体の一貫性が保たれます。この一貫性は、顧客に対する信頼感を高め、契約獲得の成功率を向上させます。

また、改善点の発見と対策が容易になります。標準化されたプロセスを実行する中で、どの部分で問題が発生しているかを迅速に特定し、適切な改善策を講じることができるでしょう。

 アウトバウンド商談の型化のプロセス

アウトバウンド商談を型化するプロセスでは、前提として理解しておくべきことがあります。下記に詳しく解説します。

 前提①:売り手・買い手の感情を理解する

アウトバウンド商談の型化をするためには、売り手・買い手の感情を理解することを前提に考える必要があります。

興味を持って問い合わせをしてきたインバウンドの商談と異なり、アウトバウンドの初回の商談では、相手の温度感はそれほど高くありません。「とりあえず興味がわいたので聞いてみよう」「ヒマつぶしに会ってみよう」というケースが大半です。売りたい気持ちを前に出すと、相手は引くばかりで商談はうまくいきません。

アウトバウンドの場合は、基本的に初回の打ち合わせは「商談」ではなく「面談」と捉えるとよいでしょう。

 前提②:信頼と信用を獲得する

アウトバウンドの商談では、まず相手との関係において信頼と信用を得る必要があります。そうした関係が築けないうちに提案やヒヤリングをしてもうまくいきません。

信頼とは相手の未来の行動に対して「成果を出してくれるだろう」と信じることであり、信用とは過去の行動や実績から「成果を再現してくれるだろう」と信じることです。

まず信用を得るためには、誠実な対応と正確な情報提供が必要です。その上で、相手に有益な知識や意見を提供し加点を得ることで信頼を築けます。

相手との関係において信頼と信用を得た段階で、はじめて買い手は売り手の意見を聞き、自身のニーズを率直に話してくれるようになるのです。

 バイヤージャーニーの整理ポイント

BtoBの商談においては、バイヤージャーニーを考えることが有効です。

商談のフェーズごとに相手の心理状況や考えを分析し、そこに対する手段を講じていくことでスムーズにゴールに向かって進められます。

ここでは、バイヤージャーニーを考える際の整理ポイントをあげて解説します。

バイヤージャーニーとは何か

バイヤージャーニーとは、顧客が製品やサービスを購入するまでの一連のプロセスを指します。通常、認知、検討、購入という三つの主要なフェーズに分かれており、それぞれの段階で顧客は異なるニーズや行動を示します。企業はこれらのフェーズごとに最適なマーケティングや営業戦略を設計することで、顧客を効果的に誘導することが可能です。

バイヤージャーニーの重要性

バイヤージャーニーを理解することは、BtoB営業において特に重要です。顧客がどの段階でどのような情報を求めているかを把握することで、適切なタイミングで適切な情報を提供し、信頼関係を構築することができます。これにより、商談の進行がスムーズになり、成約率の向上が期待できます。

 顧客の心理状態

バイヤージャーニーを考える際には、フェーズごとの顧客の心理状態を中心に整理します。基本的に商談の序盤である「信用フェーズ」や「現状理解フェーズ」では、まだどんな提案をしてくるのかがわからず、疑心暗鬼な気持ちもあって心理状態は低いです。

そこから商談が進むにつれて興味が湧き、少しずつ高まっていきます。そして、クロージングの段階となる「値段フェーズ」「スケジュールフェーズ」になる頃にはしっかり高まっていると商談がスムーズに進み、成約というゴールを迎えます。

企業側の目的

バイヤージャーニーでは、各フェーズの企業側の目的も整理してまとめておく必要があります。例えば、「信用フェーズ」ではクライアントの信頼を得ることや関係性を構築することが目的となり、「解決策フェーズ」では提案する解決策の具体的な内容を共有することが目的です。

このような商談のフェーズごとの企業の目的を明確にしておくことで、各フェーズで必要となるトーク内容や資料などが確立できます。

商談は、なんとなく流れで話をするのではなく、段階ごとにしっかりと目的を持って進めていくことが重要です。

 訴求・ヒアリングポイント

フェーズごとの顧客の心理状態や企業側の目的が整理されれば、そこに対応する訴求ポイントやヒアリング項目を考えていきましょう。

各フェーズの状況に細かく対応するトークやヒアリングの内容を準備しておけば、段階的に目的をクリアすることにつながり、次のフェーズにスムーズに進めるようになります。

 コンテンツのアウトプットイメージ

ここまでバイヤージャーニーをまとめてきたら、最後にフェーズごとに必要なコンテンツのアウトプットイメージを洗い出していきます。各フェーズの企業側の目的や訴求・ヒアリングポイントに対応して必要となる資料やツール類を考えます。

例えば、「経済合理性フェーズ」では提案の経済的なメリットを示すという目的を達成するためにROI(投資対効果)、コスト削減効果、採用工数削減などを訴求する必要があります。

その際に必要な資料やツールとして、活用した際のROIシミュレーションを用意しておくと効果的です。また、導入事例を集めておくと顧客との商談がスムーズに進みます。

このように整理した内容をバイヤージャーニーマップとしてまとめておくと、商談の型化を進めるのに大いに役立ちます。

 バイヤージャーニーの整理の例

 NGポイントの洗い出しをする

商談を確実に進めていくためには、商談が停滞したり、消滅したりするNGポイントをあらかじめ洗い出し、それらを消しておく必要があります。

例えば「現状のサービスに満足している」「予算が調整できない」「上長の反応が良くない」などといった理由で取引に至らないケースはよくあることです。

これらのNGポイントに対して、なぜそうなるのか原因を考え、NGにならないためにどうすればいいのか対策を練っておきます。

このように事前に整理して想定しておくと、実際にNGになりそうな場面で慌てることなく、迅速に対応できるため成約につながる確率が高まります。

 まとめ

営業プロセスを可視化し型化することは、営業活動を効率化し、営業チーム全体の能力を向上させます。特にBtoBビジネスでのアウトバウンド営業で非常に役立ちます。

標準化されたプロセスに従うことで、どの営業担当者も同じ基準で顧客対応ができるため、属人化の脱却につながる参考になれると嬉しいです。

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