とりあえず資料ダウンロード
営業戦略に必要なビジネスモデル・企業分析 ~フレームワークと進め方~

営業戦略に必要なビジネスモデル・企業分析 ~フレームワークと進め方~

1. ビジネスモデルの基礎

以下にて、ビジネスモデルの基礎について解説していきます。

ビジネスモデルとは?

ビジネスモデルとは、誰に何をどのように提供し、どのように利益を生み出して企業を成長させるかというビジネスの仕組みのことを指します。

どれほど優れた商品やサービスであっても、それが適切な方法でユーザーに届かず、ユーザーにその価値が十分に理解されなければ、企業の成長は期待できません。

また、企業ごとにビジネスモデルは多様であり、似たような製品やサービスであっても、ビジネスモデルが異なることで、利益への影響も変わります。

さらに、政府からの補助金や助成金、金融機関の融資、投資家からの投資などを受ける際にも、その企業のビジネスモデルが今後の成長を見込めるかどうかが判断材料となります。

これらの理由から、企業にとってビジネスモデルの分析は欠かせないといえます。

ビジネスモデル分析の重要性

ビジネスモデルを構築する際、自社の強みを把握することは極めて重要です。

自社の強みや進むべき方向性を明確にすることが、仕事の目的や戦略を定めるうえで不可欠です。

顧客のビジネスモデルを深く理解することで、提供できる価値を最大化し、顧客の課題を効果的に解決できるようになります。

結果として、顧客満足度と自社の利益を両立させるためには、両者のビジネスモデルをしっかりと把握し、戦略を立てることが成功につながります。

2. ビジネスモデル分析の主要フレームワーク

ビジネスモデル分析の主要フレームワークについては、以下があります。

  • ビジネスモデルキャンバス
  • ビジネスモデルツリー/ビジネスモデルマップ
  • ビジネスモデル・イノベーション・フレームワーク
  • 9セルフレームワーク
  • ピクト図解

それぞれの項目について解説していきます。

ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバスとは、ビジネスの複雑な構造を整理し、視覚的に明瞭にするためのフレームワークです。

どの顧客層に対してどのような価値を提供し、どのチャネルを通じて収益を得るかを効果的に分析することができます。

また、競合他社のビジネスモデルを視覚的に把握する手段としても優れており、競合の製品やサービスが提供する価値、顧客との関係性、収益の構造を理解する助けになります。

現在では、ビジネスモデルキャンバスは世界中で広く採用されています。

活用のメリット

ビジネスモデルキャンバスの活用のメリットについては、主に以下4つが挙げられます。

  • ビジネスモデルを関係者と簡単に共有できる
  • 事業家が重要なポイントに集中できる
  • 顧客のニーズに応じたビジネス戦略が立てられる

ビジネスモデルキャンバスは、視覚的に構造化されたフォーマットで、ビジネスモデル全体を一目で理解できるようになっています。

社内外の関係者との情報共有が容易になり、アイデアを共有する際、理解のズレを防ぎ、共通の方向性を持つことができる点が大きな強みです。

また、キャンバスは一枚に簡潔にまとめられているため、重要な要素に集中しやすく、優先的に取り組むべきポイントが明確になります。

このように、ビジネスモデルキャンバスを活用することによって、得られた洞察を自社の戦略に反映させ、競争力を高めることにつながります。

9つの構成要素

ビジネスモデルキャンバスを構成する9つの要素については、以下のとおりです。

ビジネスモデルキャンバスの要素内容
顧客セグメント自社が提供する製品やサービスの価値を届けたい対象が誰であるか、自社の顧客層を特定します。
価値提供(バリュープロポジション)製品やサービスの簡潔な説明と、それが顧客にもたらす価値を明確にします。
収益の流れ提供した価値によってどのように収益を得るかを説明します。
チャネル顧客に価値を届けるための方法を記述します。また、チャネルの選択にはコストも考慮に入れる必要があります。
顧客関係顧客と長期的な関係を構築するための方法を記述します。
主要な活動価値を提供するために必要な主要な活動をリストアップします。製品の生産計画、顧客の問題解決、プラットフォームの構築などが含まれます。
主要なリソース事業に必要なリソースを特定します。リソースには、人的資源、財務資源、有形資産、無形資産が含まれます。
主要なパートナーシップ事業活動において重要なパートナーやサプライヤーを特定します。
コスト構造事業活動に伴うコストを明確にします。ビジネスの利益を最大化するためには、売上だけでなく、コストの管理が不可欠です。

ビジネスモデルの構築は、各要素を一つずつ順番に埋めていくことでシンプルに進めることができます。

しかし、作成の順序が非常に重要ですので、上記の順番に従って進めることをおすすめします。

使用時のポイントと注意点

使用時のポイントと注意点については、一つの部分に集中しすぎないことが挙げられます。

ビジネスモデルキャンバスは9つの要素で構成されており、それぞれに入力すべき情報がたくさんあります。

特定の要素に固執してしまうと、他の要素に進むのが遅くなってしまうので、注意が必要です。

また、内容を簡潔にまとめるようにしましょう。

可能であれば、情報量を最小限に抑え、小さなポストイットに書き込める程度にするのが理想です。

具体的でわかりやすく、イメージしやすい表現がもっとも効果的です。

ビジネスモデルツリー/ビジネスモデルマップ

ビジネスモデルツリーとビジネスモデルマップは、他社の成功要因を効果的に分析するためのフレームワークです。

ビジネスモデルツリーは、企業の経営環境を基盤にして、次の4つの層に分けて分析を行うという特徴があります。

  • 汎用レイヤー
  • 業種レイヤー
  • 個別事業レイヤー
  • 管理手法レイヤー

また、ビジネスモデルマップでは、ビジネスモデルを構成する要素を以下のカテゴリに分類し、それぞれの要素を視覚的に整理します。

<基本的な構成要素>企業とそのビジネスシステムの根幹部分

  • 利益モデル:企業がどのようにして収益を上げるか
  • ネットワーク:価値創造のために他者とどのように連携するか
  • 組織構造:人材や資産をどのように配置し、連携させるか
  • プロセス:独自の優れた手法を用いて、業務をどのように進めるか

<オファリング>製品やサービスを通じて顧客に提供する価値

  • 製品性能:製品の特性や機能をどのように設計・開発するか
  • 製品システム:補完的な製品やサービスをどのように展開するか

<顧客体験>製品やサービスの提供を通じて顧客が得る体験

  • サービス:提供する価値をどのように保ち、向上させるか
  • チャネル:顧客にどのようにしてオファリングを届けるか
  • ブランド:オファリングや企業のイメージをどのように構築するか
  • 顧客エンゲージメント:顧客との信頼関係をどのように築くか

上記の分析ツールを活用して、成功している企業の事例を深く分析し、自社の戦略策定に反映させることが可能です。

ビジネスモデル・イノベーション・フレームワーク

ビジネスモデル・イノベーション・フレームワークは、イノベーションを促進するための10種類のフレームワークを指します。

具体的には、以下の要素を組み合わせることで、持続的なイノベーションを実現するための、戦略が明確になります。

  • 利益モデル:企業がどのようにして収益を上げるか
  • ネットワーク:価値創造のために他者とどのように連携するか
  • 組織構造:人材や資産をどのように配置し、連携させるか
  • プロセス:独自の優れた手法を用いて、業務をどのように進めるか
  • 製品性能:製品の特性や機能をどのように設計・開発するか
  • 製品システム:補完的な製品やサービスをどのように展開するか
  • サービス:提供する価値をどのように保ち、向上させるか
  • チャネル:顧客にどのようにしてオファリングを届けるか
  • ブランド:オファリングや企業のイメージをどのように構築するか
  • 顧客エンゲージメント:顧客との信頼関係をどのように築くか

上記の要素を適切に組み合わせることで、持続的なイノベーションを実現させるのに役立てましょう。

9セルフレームワーク

9セルフレームワークとは、ビジネスモデルを分析するためのツールです。

9つの質問に対する回答をもとに、ビジネスモデルの構造を視覚化できるもので、ビジネスの論理的な基盤を明確にするのに役立ちます。

具体的に、9フレームワークは以下のような順番で進めます。

<顧客価値に関する質問>

  • 顧客は誰なのか?(Who)
  • 顧客に提供する価値は何か?(What)
  • その価値をどのように提供するのか?(How)

<利益に関する質問>

  • 利益を得る対象は誰か?(Who)
  • 利益を生み出す要因は何か?(What)
  • 利益をどのように得るのか?(How)

<プロセスに関する質問>

  • ビジネスのプロセスはどのように進行するのか?(How)
  • 自社の競争優位性は何か?(What)
  • どのパートナーと連携するのか?(Who)

これら9つの質問に答えることで、ビジネスモデルが適切に機能しているか、またはどこに改善の余地があるかを明確にすることができます。

ピクト図解

ピクト図解とは、ビジネスモデルにおける次の3つの要素を、ピクトグラムを用いて視覚的にわかりやすく表現したものです。

  • エレメント(要素)
  • コネクタ(モノやカネの流れ)
  • オプション(補足情報)

この手法では、ビジネスモデルに関わる「ヒト・モノ・カネ」といった主要な要素を、視覚的に理解しやすくするために、ピクトグラムで示します。

具体的には、ヒトを個人として表す場合は人の形のアイコンを、企業を表す場合は建物のアイコンを使用します。

モノ(商品やサービス)は丸い形で、カネは¥マークを用いることで、モデルの構造を簡潔に整理することが可能です。

また、要素同士の関係性やモノ・カネの流れは矢印で示し、矢印のデザインを変えることで、モノの流れとカネの流れを区別することが推奨されます。

さらに、時間の経過や情報の整理など、図解の明瞭さを高めるための補足も加えてください。

このように、ピクト図解を用いることで、複雑なビジネスモデルも直感的に理解しやすくなるという利点があります。

3. 企業分析のための追加ツール

以下にて、企業分析のための追加ツールを解説していきます。

SWOT分析

ビジネスの理解を深めるための有効な手法の一つとして、SWOT分析が挙げられます。

SWOT分析では、まず「強み(Strength)」と「弱み(Weakness)」といった内部要因に注目します。

企業が自身の努力や改善によって変化させることが可能な領域です。

一方、「機会(Opportunity)」と「脅威(Threat)」は外部の要因に基づくものであり、市場のトレンドや社会の変化といった、企業が直接的にコントロールしにくい要素となります。

また、SWOT分析を通じて、プラスの要素(強みと機会)とマイナスの要素(弱みと脅威)を明確に分けることで、ビジネスの全体像を把握しやすくなります。

実際にSWOT分析を行う際には、各要素を具体的にリスト化し、企業の現状を可視化することが重要です。

この分析手法は、ビジネスの全体像を俯瞰するための有力なツールであり、通常の業務では見過ごされがちな問題点や新たな機会を見つける助けとなります。

4. まとめ:ビジネスモデル分析で企業理解を深めよう

ビジネスモデルとは、事業を通じて利益を生み出すための構造や仕組みを指します。

企業が持続的に成長し、成功を収めるためには、効果的なビジネスモデルの構築が不可欠です。

そのため、ビジネスモデルを詳細に分析し、自社のモデルがどのような点で改善が必要か、または成功している他社がどのような方法で利益を上げているかを把握することが重要です。

ビジネスモデルの分析を行う際には、特定のフレームワークを使用することが非常に有効です。

例えば、ビジネスモデルキャンバス、ビジネスモデルツリー、ビジネスモデルマップなどの手法があります。

それぞれの手法には独自の強みがあり、分析の目的や状況に応じて最適なものを選んで活用するようにしましょう。

これひとつで
営業参謀のすべてが分かる!

BtoB営業組織立ち上げ支援サービスの内容や導入事例、料金プランなど営業参謀の概要がまとめられた資料をダウンロードいただけます。

採用情報

売上成長率400%事業の
幹部候補を募集いたします。

決まり切った仕事やルール、正解はありません。
自ら創意工夫しながら、仕事を作り出していきます。
自由と責任と共に、変化を楽しみ、選んだ道を正解にしていきましょう。

採用情報をチェック 採用情報をチェック